前回の「色」の話、無自覚の色の嗜好問題の続きです………vol.2となります。前回vol.1も合わせてご覧下さい!
ちなみに今日は後半に水彩画を1枚お届けいたします。そちらもぜひ!(^^)/
さて、前回はイギリスでの話でした。今回は日本での色のエピソードをご紹介いたします、、、。
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お会いする度によく淡いピンクのシャツを着ている知り合いの男性がいて、私はいつも気になっていました。男性でピンクが好きらしいというのは、やはり、記憶に残るものです……。そして、ある日、その方が個展にいらっしゃった時に衝撃的な事が起こりました!
展示作品の中から、僕はこの絵が好きだとおっしゃったのが黒一色刷り(モノクロ)の銅板画でした。
なんだ、ピンクの絵じゃなかったんじゃない、と思われたかもしれません。
しかし正確にはこの黒はただの黒ではなかったんです!……どういうことかと説明します。
→実は黒インクに隠し味のように、ピンクをほんの、少しだけ混ぜて作った、ピンク配合の黒!しかし作者の私以外ではそんな事は分からないくらいの微量です。その人はまるでピンクをかぎあてたかのように、その作品が好きと言ったので、この時ばかりは本当に鳥肌がたちました!!
またしても、色の嗜好には無意識の感覚があるのだと強く感じる出来事だったのです。(余談ですが、そんな訳で私はオーダーの絵にはクライアントさんが好きな色は入れるよう意識しているのです。)
話を戻します。さて、この時の個展では、さらに私自身も色の事で指摘されるという経験をしました。
まったくの初対面の人で、プロのカメラマンであるとおっしゃったその方は私の作品をまじまじと見て、ハッキリと言ったのです。
→あなたの作品の特徴は「色」ですね、と。
いつもはこの人はどんな色が好みなんだろうとか、人の色の嗜好を探るのが半分職業病のようになっている私が、逆の立場を経験した!!まぁ個展だとこんな事もある。(笑)
今日も長くなってまいりました。この無自覚の色の嗜好問題の謎…。最終章に続きます。今日もありがとうございました。(^^)
ーコラムー
このフォトは15才の時に描いた水彩画。
ちょっと思い出のある作品です。
当時からこんな色使いをしていました。
赤や、黄色、どの 色に対しても、たいがいは絵の具セットからそのままの色を使うのが嫌いで、パレットで絵の具を合わせ、好んで自分の色を探しました。今改めて見ると、影の色の表現には、こだわった形跡が見られます。
ところで、学校でこの絵を描いていた日の事です。背後に人の気配を感じました。振り返ると、先生ではなく、普段は話さない同級生が立っていました。そしてその子は「私はあなたの絵が好きだわ。」とポツリと言った。先生の評価よりその子に誉められたのが凄く嬉しかったのを覚えています。そんな想い出の1枚。誉められたからかな……。特に色使いの方向性においては、私の原点になったと言える作品だと思っています。※。.:*:・'°☆