Tomoko's Art主婦日記

アート主婦の作品を紹介するブログです。

ぬい先生を偲んで

本日は自作の中で少し変わった作品を紹介致します。 この作品は私自身しばらく描いた事を忘れていました!

しかし最近あることがきっかけで思い出したのです。

 

理由は佐野ぬい先生が今年夏に他界された事を新聞の記事で知った、そしてこの絵は先生が誉めてくれた絵だったから。

私は佐野先生クラスの学生でした。

 

先生は女子美術大学教授、名誉教授、学長をされ、又佐野ブルーの代名詞である青を使った数々の作品を世に送られた画家。

初めて先生の作品を見た時の印象ですが、なんてモダンなそして清々しい抽象表現をされるのだろうと感じました。先生のプロフィールや作品の詳細については他ネット上でより詳しく分かるはずですのでぜひご覧になってみて下さい。

 

写真下は私の持っている画集です。

 

一流の画家であるに関わらず学生の私達にいつも優しく真摯に接して下さり私はぬい先生が大好きでした。(当時は教授でした)又いつお会いしてもとても穏やかでお茶目なお人柄でした。個人面接の時、先生がカメラを隠しもっていてドッキリ写真をとってもらった事があります!

 

少し話がズレますが今まで私がお会いしたり講演会でお話を聞いた芸術家には自分の意見をストレートに意見する結構キツイタイプの方、もう一方は穏やかで人に対してソフトな方がいらっしゃるように思いましたが先生は完全に後者のタイプでした。

 

しかし学校では穏やかな先生もあれだけの仕事をされたのですからただ者であるわけがありません。常に頭の中は絵の事で情熱に燃えご自身の芸術に向き合うにあたり厳しい一面もあったのではないかとも思います。

 

又女流画家として家庭を持ちながら画家である事を貫く先生の在り方が素敵だなと思い、自分もそういう生き方がしたいと感じておりました。

 

今大学を卒業して何年も経ち、私は主婦になりました。絵の世界では私は先生とは全然違ういまだに未熟で稚拙なレベル。しかしそれでもこれからも先生はずっと私のお手本であり続けていくことでしょう。

 

先の画像の作品に話を戻します。

 

イギリスから帰国したすぐ後、たまたま同窓会の機会がありこんな作品を描いてみましたと複数の作品写真をお見せしたらこの絵が良いとおっしゃってくださいました。色々な事にチャレンジしたイギリスの実験時代、先生の作風に少し影響されて描いた1枚だったような気もします。

 

今ではいち通過点となったこの作品、その後私は花の作品の制作に舵取りしたためこれに続く連作はありませんがブログにて初公開致しました。

 

それでは今日もアート主婦日記のブログにお寄り頂きありがとうございました。

 

追記

きっと先生は天国でも絵を描いているだろうと思います。そして生まれ変わり又画家として生きるのだろうと想像いたします。先生にお会い出来た事に心より感謝しております。本当にありがとうございました。

心よりご冥福をお祈りいたします。

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